前回の記事に引き続き、自分が双極性障害Ⅱ型になった理由について分析してみます。
※始めたきっかけはこちら
遂に完結!【全5回】双極性障害になった要因分析シリーズ始めます。
はじめにストレス要因をまとめておきます。
2:昇格試験のプレッシャー
3:両親の不仲に対する心配
4:子育て中の夜泣き
5:起業したい病
今回は”昇格試験のプレッシャー編”です。
前回の記事はこちら
【職場異動編】双極性障害になった要因分析を自分なりにしてみる。
では、いってみましょう。
目次
昇格試験のプレッシャー
双極性障害Ⅱ型になった理由の2番目はこれです。
職場異動と同時期に昇格試験が重なりました。
異動直後でただでさえ、不慣れな中、昇格試験といった社畜タスクをこなさなければなりませんでした。
自分の勤めている会社特有なのかもしれませんが、昇格試験のタイミングは入社年度から数えて約2年おきに行われる定期考査型です。
どんなに能力がある人でも次のランクにあがるためには2年は待たなければなりませんし、逆に能力がない人でも2年ごとに受かるかどうかは別にして一応、定期考査対象にあがることになります。
社会人でこのブログを読まれている方であればご理解頂けるかと思いますが、出世レースというものは一度レールから外れてしまうと取り戻すことは難しく、上がりやすい人ととそうでない人で差がついてしまいやすいところではあります。
筆者も妻と小さい息子がいる家庭持ちですので、昇格試験に上がらなければというプレッシャーが少なからずありました。
人事面談形式の定期考査とかマジ昭和の制度引きずってんじゃねえよ
自分の勤めている会社のほんとに嫌いなところなのですが、昇格試験が人事面談で決定します(笑)。
一応、人事曰く、「日頃のアウトプットも見てるで~」とのことなのですが、いやっ現場に降りてきてないお前らに何が分かんじゃい。部長伝えに操作された情報鵜呑みしとるだけやろが、ボケカス。という事態なのです。
ちょっと口が悪くなってしまってすみません。
日頃のうっぷんが出てしまいました笑
さて、話をもとに戻しますが、
昇格面談 = 人事面談形式 x 2年おきの決まった時期での実施
というのは受ける側にとって下記に述べるような負の感情が芽生えがちです。
人事面談形式の弊害
ズバリ!!面談対策が横行します!!
サラリーマンであれば日々のパフォーマンスによって審査されるべきかと思いますが、1回30分程度の人事面談数回で昇格が決まるや否や、ということになれば、それはもう面談対策が横行します。
というより、会社自体がそれを容認しており、上司が部下の面談練習相手に何度も付き合う、というのが定期考査時期の通例になっており、驚くべきことにその期間は数カ月に渡ります。
これってほんと馬鹿らしくないですか??
ビジネスマーケットが日々動いていて、如何にして自社が生き残るか考えていかないといけない時代に、相当の時間を昇格のための面談練習に充てているなんて。。。
決まった時期で実施することの弊害
ズバリ!!能力ある若手は年数待つのが馬鹿らしくなり、どんどん辞めます!!
ある程度の給料ラインに達しようと思うと長い年数を消費して出世レースを駆け上がる必要があることがどの社員にもバレバレなのです。
そして出世レースを駆け上がるためには先ほどあげた馬鹿らしい面談練習というものを費やさなかればならず、転職市場で特に価値の高い若手にとっては人生時間の浪費に他ならないのです。
残念ながら自分の会社では他社で稀によく聞くような“史上最年少部長”という珍種は存在しません。
飛び級制度なんてものはなく、2年おきの定期考査を順当に駆け上がっただけの人なんですね。
あとぶっちゃけ、出世したところで給料がそこまで上がらず、それどころか部下を持つ身であれば承認作業や面談練習に追われたりと、どんどんコスパが悪くなっているように見えるのもものすごくモチベーションが下がります。
職場異動と昇格試験が絡むと厄介
そんなクソな昇格試験制度であることを紹介させていただいたうえで、一旦、自分の話に戻します。
前述のとおり、自分は職場異動という形で新しい職場に来たタイミングで昇格試験が重なっていました。
職場異動と昇格試験が重なると一つの問題が起きます。
「昇格審査は前いた部署と新しくやってきた部署のどちらで行われるの?」
自分が出してきた実績は当然、前に在籍していた技術部門です。
新しい部署ではまだ挨拶しただけです。
では答えは・・・
「新しい部署内にて、これまで頑張ってきた人たちと同様に審査されます」
もはや、はあ(呆れ顔)?です。
一応、自分の実績としては前にいた技術部門の説明をすれば良いそうですし、その部署に元からいた人を贔屓したりはしない建前つきです笑。
でもさ、人事は全く自分のパフォーマンス知らないわけですよ。
先ほどお伝えした、人事(笑)の「日頃のアウトプットも見てるで~」も勤務ビル自体が違うわけですから絶対見てないわけですよ。
なぜ、初めましての人に自分のパフォーマンスを客観的に説明しなければならないのか。
だんだんと、俺何してるんだろう感が醸成されていきます。
昇格試験のための面談練習をしている自分に嫌気がさす
いい子ちゃんの心を失いつつあった自分にさらに追い打ちをかけるのが面談練習のつらさです。
異動後の知らない人に向けて、自分の成果を短い時間で客観的に伝えるべく、面談練習を行います。
異動後の新しい上司と面談練習の日々。
異動後に新しい仕事内容も覚えなければならないところ、
異動後の新しい上司と古い職場での成果を語るための面談練習の日々。
日勤帯は新しい職場仲間に囲まれながら彼らの普段の仕事の流れに溶け込むがのごとく、仕事を覚える、間違える、時に叱られる、また覚える、間違える、・・・PDCAの繰り返し。
そして定時後に周りの同僚がぼちぼち帰宅しじめやっと自分の時間が持てる頃には、
異動後の新しい上司と古い職場での成果を語るための面談練習の日々(2回目)。
※上司は自身も仕事が大変なところ部下へのお付き合い、なんてお優しい。
しかし、定期考査は数カ月にかけて行われるため、
新しい仕事を覚えつつも、昇格を目指して古い職場での自分の仕事内容を脳内に鮮明にキープしとかなきゃならない!
どうでしょう。
覚えては忘れるを繰り返していくのが普通の人間だと思うのです。
一度忘れたとして同じことを思いだすのにかかる時間は短くて済むものなので、人は安心して物事を一旦、忘れることができると思うのです。
通常の業務では使わないけれども、昇格のために必要な知識(単に面談のテクニックではなくて、古い職場での成果にまつわる話)を脳内にとどめておくことが、どれだけ負担になり、新しい業務知識を蓄えることへの時間的労力、精神的労力にななったか。
だんだん、日勤帯の業務にも集中できなくなりつつある自分がありました。
夕方以降に面談練習があるから、そのための練習もしなきゃという焦り。
その焦りは夜、家に帰っても覚めることはありません。週末も気が休まりません。
※この休まらない感情は自分だけでなく定期考査期間中の対象者は全員陥ります。
当然ながらこのような心理状態ですから、日勤帯の通常業務に支障が出てき始め、思うように成果が出るはずもありません。
「仕事の成果もでないし、新しい部署に面談練習だけでもやりにきたのかな?」
異動したてなので成果が出るはずもないのですが、とにかく現実から逃げたい感情が出てきてしまいます。
だんだん、面談練習している自分が嫌になってきました。
友人と酒を飲んでは会社の愚痴ばかりでてきます。
定期考査がとにかく早く終わってほしい。
自分も友人も口をそろえてそんなことばっかり話ながら傷を舐めあうのでした。
一次面談通過が来た! しかし不眠症の訪れによって歯車が狂いだす
ちょうどその頃、部内一次面談が無事に通過した旨の連絡が届きます。
これは良かったです。
異動したとしても面談自体は公平に行われたようでした。
※前の部署での実績自体は自分が言うのもなんですが大きなものが出ていたと思います。
でもまだ最終二次面談が残っています。
ラスト一歩、愛する妻とまだ幼い息子、それに社内での自分の見栄のために出世しなきゃ、頑張れ自分!
そう思ってた矢先、ある日から突然、寝れなくなります。
布団に入っても全然寝付けないのです。
最初は1時間くらい、その時間がだんだん長くなり、2時間、3時間となってきます。
寝よう寝ようと思っても頭の中で “明日はこれをしなきゃ、こういう言い回しに変えよう” など考え事が堂々巡りしてきます。
夜寝れなければ次の日の仕事のパフォーマンスは出るはずもありません。
ほぼ“無の感情”になります。
普通であれば、寝れてない日の翌日というのは早く眠気が来てぐっすり眠れるのですが、不眠症というのは寝たくても寝れません。
これがとてもとてもツラいのです。
寝付けない状況が2週間弱続いたとき、布団の中である決心をします。
”とても、つらい。。。どうやら不眠症になってしまったようだ。明日朝一番に妻に対して、[職場に休みをもらいたい]と思っていることを相談してみよう”
その瞬間の感情を忘れないように夜中に妻にメモ用としてLINE送った原文がこちらです。
以下全文です。
“やばい。考え事して全く寝付けない。
今週ずっとこんな感じで日中、頭働いてないです。
これが続いて鬱になったら人生もともこうもないので明日上司に相談して取り敢えず来週から育休という形で取り敢えず3月末まで休息もらうことにします。
その期間まずは心身の回復に努めて復活次第、職場には戻らず転職活動します“
後半は個人情報が書いてあったので削りました。
“育休”と書いているのは、まだ息子が2歳になってないので、制度上、有給を消化せずとも育休という奥の手を使えるためです。
また、“職場には戻らず転職活動します。”というところに、本人の覚悟を感じます笑
ちなみに送信時刻は1:45となっていました。
その後も2:27に別のメッセージ送信履歴もあったので、この日も布団に入って3時間くらいは寝れてなかったことになります。
おそらく前代未聞、昇格二次面談をこちらからお断り!!
先ほどのLINEメッセージ内にて
“職場には戻らず転職活動します。”
と書いたのには、一つわけがあります。
それは昇格二次面談の日程がすぐそこにやってきていたからです。
定期考査の対象となるまでやっと2年間待ちました。
あと数日耐え抜いて面談をうまくこなせば昇格する可能性が十分にあります。
それを自ら断れば、出世どころか人事から「こいつ出世するつもりないやつだな」と思われて出世レースから一気にドロップアウトすることになります。
こんなもったいない話があるでしょうか。
自分はいったい何のために入社以来頑張ってきたのでしょうか。
でも筆者には耐え抜くことができませんでした。
一日一日寝れないことが耐えがたく、面談練習しているその毎日が耐えがたく、電車に乗っている時間が耐えがたく、頭がおかしくなりそうでした。
前述のLINEを妻に送り、朝がやってきました。
妻に全部伝えました。
・最近、寝れなくて辛いこと。
・職場の上司にギブアップ宣言したいこと。
幸いにも妻は理解してくれました。
「今日は会社についたら”不眠症のため仕事を休ませてもらいたいことと、そのため昇格面談を辞退すること”を上司に伝えなきゃ」
いつも乗っている満員の通勤電車もいらいらしません。
なんだか清々しく感じます。
いつもと違った景色に見えるのです。
「今日、僕は出世レースから外れる宣言をする」
この事実がこうも清々しい世の中を見せてくれるのか。
マリオでいうスター取った感覚ってきっとこういう感覚なんだろうな。
この日の朝は一生忘れないでしょう。
会社につき、一息ついて上司に気持ちを伝えました。
優しい上司はとても良く話を聞いてくれました。
今までたくさん面談練習に付き合って頂いた時間が無駄になったにも関わらず、上司自身の若かったころの話とか素敵なお話をたくさん頂きました。
当時の日勤帯の私の頭は働いておらず、“ほぼ無”でしたが、たくさん気遣って頂いたのを覚えています。
労務関係の担当者と掛け合ってくれました。
「寝れないのが良くないらしいから、まずは心療内科に軽い気持ちで行ってごらん」
衝撃!ただの不眠症かと思ったら双極性Ⅱ型+適応障害の診断
翌日は幸いにも土曜で仕事が休みであったため、上司のアドバイスに従い心療内科に向かいます。
当時の自分は、”不眠症の診断うけて、ドクターストップもらえれば仕事休む理由ができて楽になれるなぁ”ぐらいに思っていました。
ところが
医者:「双極性Ⅱ型+適応障害を煩わせているから2カ月間療養するための診断書出しておくね。」
え(驚)?
双極性障害Ⅱ型?
いわゆる躁鬱(そううつ)病と言われるやつです。
え(哀)?
鬱はいってんじゃん(汗)。
LINEメッセージ中に
“鬱になったら人生もともこうもないので”
と妻に向けて、未然防止のつもりで書いたのに、もう鬱なってんじゃん。
・・・
自分、どうやら手遅れだったようです。。。
ただ、早いうちに診断してもらってよかったとほっとしている自分もいます。
このブログを読んでくださっている中に、なにかのストレスが原因で体調不良が出てしまっている方は早めに、そして気軽な気持ちで心療内科を受診されることをおすすめします。
次回以降の記事に続きます。
ではでは。
コメント